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ほぼ飯田橋ギンレイで観てきた映画のメモ的な感じになるはずのこのコーナー。基本的にネタばれあり、あらすじカットの自分メモ的な扱いで更新する予定。
昨日観た一本目は『127時間』(2010年米国)。
トレイラーはこちら。
邦画にはよく舞台演劇から映画化された作品がけっこうある。そういった作品には場面転換の必要のない密室での物語、登場人物の少なさといった特徴があるものだが、この『127時間』は、所謂密室芸を究極にまで推し進めた作品といえる。
なにせ、映画に登場する人物は一人しかいない。必要なのは大自然とその中に閉じ込められた主人公アーロンだけ。ただ、たったそれだけ環境でも非常に緊張感があり、追いつめられた人間がどのように感情を変化させていくのか、自暴自棄と後悔、生きるために取らざる得ない激痛を伴う決断……。
この作品は、人間の実生活では抽象化されているはずの問題群を顕在化したメッセージ性の強い内容になっている。ただ、やはり“激痛”を喚起させるシーンで、好き嫌いは分かれる。見続けていくと少しずつ慣れてくるのだが、クライマックスでは正視に耐えかねる場面も出てくる。しかし、個人的にはその“激痛”こそがこの映画の肝だと思う。
実話に基づいた話だというが、観る者に訴えかけるのは「あなたはいつ死んでもいいように、後悔なく生きているのか?」というシンプルなメッセージだ。大事であることは重々承知しつつも、つい家族や大切な人を疎かにしたり、面倒な問題を先送りすることは、どんな人にでもあることだ。
けれども、そんな小さなことを積み重ねていくと、いつか強烈なしっぺ返しが訪れる。それが“転落”であり、はまり込んだ泥沼からは“激痛”ともなう決断が必要で、生命にも等しい“代償”を支払い“帰還”しなければならない。
主役のジェームス・フランコは90分ほどのあいだ、出ずっぱりで極限の感情を炸裂させる好演を披露している。飽きずに映画が見られたのは彼の力が大きかった。なかなかの力作だった。
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