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【あらすじ】
富豪の父親をもつ20代の女性アリス・クリードは、2人組の男に誘拐され密室にとらわれる。男たちは多額の身代金を要求しようと企むが、次第に3人の関係がねじれていき、完ぺきだったはずの計画がほころびはじめる。誘拐された1人の女と犯人の2人の男が、密室を舞台に繰り広げるサスペンス。監督は「ディセント2」脚本家のジェイ・ブレイクソン。出演は「007 慰めの報酬」のジェマ・アータートン、「SWEET SIXTEEN」のマーティン・コムストン、「ハンコック」のエディ・マーサン。
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今週(というか2週間)のギンレイ@飯田橋は、本格クライム・サスペンス特集inヨーロッパという感じ。
登場人物はたった3人なんだけど、しっかり作りこんだ作品性の高さから、そういうことは終わるまで気にならない。俺はエンドロールで気づいた。とくに前半の緊張感は凄まじく、キレキレで手際のよいプロの準備ぶりに息を飲むのだが、次第にその計画性にほころびが出る。
物語が進んで犯人が顔を晒し、それぞれの素性と人間関係が明るみに出てから、物語の全体像が把握でき、そこで物語のキモは“歪んだ愛情”であることに気づく仕組みになっている。いい構成だと思う。
あらすじには「次第に関係がねじれていき」とあるけど、最初からそれぞれの関係性は歪んでいて、犯人AとBはホモ関係(刑務所でほだされた)、誘拐された女と犯人Bは元?恋人関係。その時点でかなり歪んでいるし、そこがこの作品の最大の味付け。「愛情が絡むと、たとえ裏切られても鬼にはなりきれない」というのが鑑賞後の感想。悪人も最後までは悪人でい続けられないところにホッとしたり。
基本は3人の物語を描いた作品なので、全体的に警察が何にもしなさすぎとは感じるけど、そこはまあ、余分な部分なのだろう。でも、拉致られた場所から警察に結構長い時間通話したのに、なにも動かず位置もつかめずなのは無能だし、身代金をあっさり手渡して何もせず放置状態というのも、どうなのよ。
3人の役者の演技力も素晴らしく、緊張感が最後まで続く良作でした。
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