東海近辺のライフログ。
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【あらすじ】
イタリアのミラノ。組合が組織され、元精神病患者の受け入れ先である施設に、組合員ネッロが左遷されてくる。彼には病に対する知識はないが、解放された者たちの人格を認め、彼らの特性である根気や細部へのこだわりを活かした寄せ木細工の事業を立ち上げる。イタリア映画祭で高評を博し劇場公開となった1作。'78年イタリアで施行された通称“バザリア法“により、精神病院の全廃が進められていた時代の実話をベースに、解放された元患者たちが、医師の指示を受け、投薬量を減らして人間性の回復をめざす過程を描いていく。
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これは爽やかに泣ける映画だ。
精神障害者の社会参加という重いテーマを扱った物語だが、イタリアで製作されていることもあって、愛とユーモアと肯定的なパワーに満ちた作りになっている。鑑賞後に非常に温かい気持ちと勇気がわいてくる爽快感が残る。
主人公のネッロがこの精神障害をもった集団(労働者組合)のまとめ役なのだけど、決して彼が牽引役ではない。彼はとにかく参加する組合員と“対等”であろうとし、徹底して会議をもって全員の意見の調整と賛同を得て組合をまとめて行く。
やがてそれぞれの性格と長所を生かしつつ、適材適所に配置しながら生きがいとなる労働の提供と私生活の充実を目指して物語は加速する。その中には“恋愛”や“セックス”といったデリケートな部分や、社会の中にどう溶け込むかというという難題にブチ当たったりするのだけど、まるで家族や親友が困難に直面した時のように、ともに苦しみ、ともに泣き、ともに凹んだり、また必要な時は防波堤にも、憎まれ役になりながらも、前に進もうとする。
映画の最初では奇人変人集団にしか見えなかった組合員たちが、物語が進むにつれて個性的で愛おしい存在に思えてくるから不思議だ。ラストシーンも、ネッロの挫折をきっかけに、組合員たちが以前よりも自立し結束していく様に胸が熱くなる。
現実はここで描かれているように物事がすんなり進まないにしても、映画を観れば漠然と危険視しがちな精神障害に対する偏見は和らぐのではないだろうか。
観終わった数時間後でも心がポカポカする。出逢えてよかった映画だ。
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