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東海近辺のライフログ。
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不勉強で、これまでに藤本健二氏の書籍を読んだことがなかったのだが、先月金正恩氏に北朝鮮に呼び出されたことが社内でも話題になり、早速アマゾンで購入して読んだ。

実に面白い内容で一気に読めた。日本で一介の寿司職人だった男が、ひょんなことから北朝鮮で料理職人をすることになり、さらには金正日に気に入られてお抱え料理人になって13年ものあいだ側近として謎の国家・北朝鮮の中枢に出入りし続けたという話は、実に興味深い。

氏の語る内容に信憑性に疑いを持つ専門家もいるようだが、作り話にしては資料的に貴重な写真等を含め、詳細な描写が多く、早い段階から金正日の後継者として金正恩を予想するなど、かなりの部分が事実と思われる。実際に帰国後に藤本氏の提示した情報と資料は国際的にも一級品のソースとして扱われたようだ。

たとえ脚色された部分があったとしても、物語としては非常に出来が良い。

読んでいると、自然と金正日に親しみを感じ、人間味のある男に思われてくるのだが、それは彼に好意を抱いていた藤本氏の目線で語られるのを読んでいるからだろう。

金正日に気に入られた藤本氏も、また実直で魅力的な快男児なのだろうが、やはり世話になった国から逃げてきて、その国の隠したい事実を切り売りして今も生き延びているという部分にやや後味の悪さを覚える。

また、書籍には日本への帰国を決意する際に、北朝鮮に残す妻子についての記述がほとんどない。自分がいなくなれば、彼女らの命が危ぶまれるのは当然なはずだし、そうでなくても一生の別れになるは自明のはずだが。それについての苦悩したような描写はない。あえて書かなかったのか、書かない理由が何かあったのか、そこは察するしかない。

ただ、言い方は悪いかもしれないが、もともと金に釣られて北朝鮮に渡り(当初は月50万の月給。後には日本の妻と離婚する際に慰謝料3000万、子どもの成人までにかかる養育費月30万を合わせ、合計4800万を北朝鮮に出してもらっている)、後には国の最高権力の甘い汁のおこぼれに釣られて、かの国に居続けた男の選択であると考えれば、納得はできる。

今回の訪朝も、メディアにあれだけ扱われれば殺されはしないだろうという計算があるのかもしれない。あるいは、もう一稼ぎのチャンスだとでも思っただろうかーー。

他人事というか、数奇な人生の一端を書籍で楽しませてもらった立場ながら、命というものは金よりも大事ではあるが、義理よりも大事であってよいのか、などと考えてしまった。

まあ、呼び出した金正恩側も藤本氏を招いてまた日本に帰せば、北朝鮮の内部の変化やオープンな姿勢を喧伝するだろうという読みがあるのかもしれない。

まずは藤本氏が無事帰国してきてからの情報に注目してみたい。
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