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東海近辺のライフログ。
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今回の福井の旅はレンタカーを借りて行ったのですが、ズバリ言って久しぶりの運転はかなり緊張したデスよ……。韓国では4年ぐらい運転してたけど、ずっと右ハンドルだったし、左ハンドルの日本ではほとんど運転したことがない。
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今回、日本の免許に切り替えたのが4年ぶりなので、運転するのもそれぐらいぶり。ガチガチだったけど、危ないシーンがなくてよかった。忘れないように、時々は運転したいけど、東京だと、運転する機会がないもんな。
 
そんなこんなで、福井市内を通りぬけて、自殺の名所として有名な東尋坊へ。岬なのに、“東尋坊”というお坊さんの名前がついていて不思議だなと思ったのだけど、名前には由来があるそうですね。 IMG_5721.jpg

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昔、平泉寺(福井県勝山市にあるお寺。現在は神社になっている)に数千人の僧侶がいた。その中にいた東尋坊という僧は怪力を頼りに、民に対して悪事の限りをつくした。東尋坊が暴れ出すと手がつけられず、誰も彼を押さえることが出来なかった。東尋坊はまさにやりたい放題、好き勝手に悪行を重ねていたので、平泉寺の僧侶は困り果てていた。また東尋坊はとある美しい姫君に心を奪われ、恋敵である真柄覚念(まがらかくねん)という僧と激しくいがみ合った。
 
寿永元年(1182)のある日、平泉寺の僧らは皆で相談して東尋坊を海辺見物に誘い出した。一同が高い岩壁から海を見下ろせる場所に着くと、早速岩の上に腰掛けて酒盛りを始めた。その日は天気も良く眺めの良い景色も手伝ってか、皆次第に酒がすすみ、そのうち東尋坊も酒に酔って横になり、うとうとと眠り始めた。東尋坊のその様子をうかがうと一同は目配せをし、真柄覚念に合図を送った。
 
この一同に加わっていた真柄覚念は、ここぞとばかりに東尋坊を絶壁の上から海へ突き落とした。平泉寺の僧侶たちの本当の目的は、その悪事に手を焼いた東尋坊を酔わせて、高い岩壁から海に突き落とすことだった。崖から突き落とされながら、ようやくそのことに気付いた東尋坊であったが、もはや手遅れ。近くにいた者どもを道連れにしつつ、東尋坊はまたたくまに崖の下へと落ちて行ったのだった。
 
東尋坊が波間に沈むやいなや、それまで太陽の輝いていた空は、たちまち黒い雲が渦を巻きつつ起こり青い空を黒く染め、にわかに豪雨と雷が大地を打ち、大地は激しく震え、東尋坊の怨念がついには自分を殺した真柄覚念をもその絶壁の底へと吸い込んでいった。
 
以来、毎年東尋坊が落とされた4月5日の前後には烈しい風が吹き、海水が濁り、荒波が立ち、雷雨は西に起こり東を尋ねて平泉寺に向ったという。
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もともとの由来は自殺じゃなく、他殺現場だったのね……。東尋坊自身が傍若無人な人間だったことはアレにしても、集団で個人をだまし討ちにして計画的に殺害するというのは、閉鎖的な日本のムラ社会の暗部が表れているような気がする。
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実際に東尋坊に行くと、確かに日本海から吹き付ける寒風が吹き荒れていて確かに心の奥の方が寒々とした気持ちになる場所ではある。また、金曜日に行ったからか、東尋坊に向かうまでの商店街の店舗の多くは営業をしておらず、そのさびれた風景は自殺する場所として似つかわしいと思わないではなかった。
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実際に断崖絶壁に立つと、自然の作り出した壮大で奇異な景観に興奮して、絶壁のかなり先の方まで進んで覗きこんでしまった。柵もないし、ロープもないし、強風が吹く場所だし、単なる観光出来ていても、油断できない場所だった。気を抜くと25mもの落差のある海に落ちてしまいそうだった。
 
個人的には韓国で訪れた紅島(ホンド)の奇岩群の景観に近いものを感じた。まあ、紅島の方は、確かにその名の通り岩自体が鮮やかな紅をしていたので、その点は違うのだけど。
PICT2101.jpg 
東尋坊のwikiを見ると、実際には自殺には適さない場所みたいね。ここには昔、飛び降りても簡単に死なない(死ねない)ことをアピールするために敢えて飛び込みを実演する“ドリャーおじさん”というのがいたらしい。『探偵ナイトスクープ』での放送内容によると、このおじさんは通算2万回以上も飛び降りを繰り返し、断崖絶壁をはい上がるという行為を繰り返したとか。酔狂な人もいたもんだけど、実際に何人かの自殺志願者を思いとどまらせたかもしれないな。
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海際には海産物を扱うお店が多いことと、そのおこぼれをもらえるからか多くの猫たちがいた。どいつもこいつも人懐こくてデブ猫ばかりで可愛かった。うむ。東尋坊、けっこう楽しくていい場所だったな。
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まだ続く
 
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