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東海近辺のライフログ。
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【あらすじ】
『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督と、『スター・ウォーズ』シリーズのナタリー・ポートマンがタッグを組んだ心理スリラー。内気なバレリーナが大役に抜てきされ­たプレッシャーから少しずつ心のバランスを崩していく様子を描く。芸術監督を演じるのは、フランスを代表する俳優ヴァンサン・カッセル。主人公のライバルを、『マックス・­ペイン』のミラ・クニスが熱演する。プロ顔負けのダンスシーン同様、緻密(ちみつ)な心理描写に驚嘆する。


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ギンレイ@飯田橋で観賞。以下、感想。

近年、あまり映画を熱心に観てはいないのだけど、アロノフスキー監督の作品は意外と観てる。といったも、『ブラック・スワン』(2010年)、『ザ・ファイター』(2010年)、『レスラー』(2008年)だけだけど。どの映画も彼の映画だから観に行ったというわけではなかったが、三つの作品は自分の好みといえる内容だった。

舞台芸術というものに何かしらの意義を求めて観賞することの多い自分にとっては、華やかな舞台の陰に隠れた裏側の厳しさ、舞台芸術に関わる人の内面の葛藤を追及する姿勢に惹かれてしまう。

『ブラック・スワン』と『レスラー』が似ていると感じたのだが、wikiを見るとやはり両作品はもともと一つの作品としてまとめられる予定だったが、長くなるので切り離されたものだったようだ。

アロノフスキー監督本人が「ある者はレスリングは最低の芸術と言い、またある者はバレエを最高の芸術と呼ぶ。しかし、私にとって驚くべきことは、これらの世界両方のパフォーマーがいかに似通っているかである。どちらでも、パフォーマー自身の身体を信じられないほど使って何かを表現している」と語っているのは興味深い。

もちろん『レスラー』と『ブラック・スワン』とでは映画のタッチなどは全然違うのだが(製作費が雲泥の差だったこともあるが)、表現者が演じる役と本当の自分の同一性を高めることでリアリティが増すこと、大きな歓声と名誉と引き換えに日常生活において自分の自我の崩壊に苦悩し、スポットライトを浴びる快感に依存し続ける人物像を描くところなど、確かに共通点が多い。

日本における『ブラック・スワン』の煽り方は、サイコサスペンス的なものだったので、映画の前半はやや意外な感じがしたのだが、役作りに苦しみ、徐々に日常の自分も役になりきろうとする過程を丁寧に描く様に引き込まれたし、クライマックスに至るまで狂気を帯びて豹変していく主人公ニナの存在感は凄まじいものがあった。娯楽作品としても作品のクオリティとしても、今年観た映画の中では最高のものだった。

名作は観たあとにいろいろなことを考えさせてくれるよね。アロノフスキーさんの映画はこれからも注目して観てみたい。
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