東海近辺のライフログ。
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【あらすじ】
1970年代のフィンランドの片田舎を舞台に、人を寄せ付けない元囚人と悩める人々を癒やす盲目の牧師との繊細な交流を描き、各国の映画祭で称賛された感動的な人間ドラマ。刑務所を出所したヒロインが牧師のために手紙を音読する日々と、二人の心に宿る絶望と希望とを淡々とつづっていく。監督は、フィンランドとスウェーデンで活躍するクラウス・ハロ。
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前回観たのが『ジュリエットからの手紙』だったが、今回は『ヤコブへの手紙』というタイトルのフィンランド映画。愛する飯田橋ギンレイにて観賞。以下、その感想。
頑なに心を閉ざした元終身刑のレイラがいかにして心を開き、人間性を取り戻していくかが、この映画のテーマ。最初は牧師のもとに届く手紙の内容と、ありきたりに思える牧師の祈りの言葉は、レイラにはまったく届かない。そればかりか手紙の存在を全否定し、恩赦を願い出た牧師を偽善者扱いする。
けれども、手紙が届かなくなってみるみる衰弱し、「自分は神にも必要とされなくなった」「誰かを守っているつもりだったが、実は手紙が私自身を守ってくれていた」と絶望する牧師を見て、彼女の心が次第に揺さぶられる。
善良な牧師でさえ、神から見放されたのを見て絶望したからか、牧師の願い出を拒否し、家を出ていくことを決心するレイラ。しかし、元終身刑のレイラに行くあてなどあるはずもなく、牧師館で自殺を図る。そんな中、自宅に戻ってきた牧師の「いてくれてありがとう」という牧師の一言で、レイラは人間性を取り戻していく。
最後のレイラの告白は涙なしには観れないし、牧師から初めて手渡された姉からの祈りの手紙を読むシーンは忘れられない。あれほど不遜で無愛想だったレイラが、つい可愛く見えてしまったほど(笑)。
初めて観たフィンランド映画だったのだが、内容はわずか75分、出演者はほぼ2人だけという簡素な作りで、台詞も少なく、大げさな笑いも涙もなく、特別な仕掛けもない。それなのに、じんわりと心の奥が温かくなって涙が止まらなくなる、いい映画だった。
荒涼として底冷えするような北欧が舞台であるためか、人の温かみがしみじみ感じられ、自分を必要としてくれる者、自分を心から理解してくれる者がいるだけで、人は生きられるというメッセージがすんなり入ってきた。
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