東海近辺のライフログ。
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■『トイレット』(2010年製作日本)を観てきた。
まあ、観ての感想は「舞台をカナダにしようと、演技者のほとんどが外国人であろうと、結局は完全な日本映画だな」ってこと。良くも悪くも空間芸術なんだよなー。「みなまで言うな行間を読み取れ」って感じの。
それが悪いわけではない。日本映画らしいと言えばそうだし、ちゃんと色々な皮肉や矛盾、製作者や作者の投げかけるヒントは感じられるし、それをどう解釈するかの幅を持たせた作りになっているとは思う。
ただ、その“緩い感じ”を日本映画独特の“アーティスティックさ”と感じるか“退屈さ”と感じるかは人それぞれ。自分は正直言って退屈さを途中で感じたし、「考え込めば見つけ出せるかもしれない壮大なメッセージ性」を考えてみようとしたが、そんなに大層なメッセージがあるとも思えなかったし、考えるのが馬鹿らしかった。
かといってつまらなかったわけでもないが、ネタをふっておいて最後まで描き切れていないと感じたし、もっと表現したいことをコンパクトにまとめられただろうと思った。キャラも生かし切れていないし、メリハリがなさすぎた。
私小説のような映画でもいいんだけど、エンターテインメントとして上を観る必要はあるんじゃないの?
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『極悪レミー』見てきた。
メタル/ハードロックファンなら誰が観ても満足できる作品。
実際、シアターN渋谷にはレイトショーなのに人は満杯だった。しかもバイカー率高し(笑)。あんなにガラの悪い映画館って経験したことなかったけど、いかつい男もパツキンでメイクガチガチのねーちゃんも、普段なら自分とは程遠い存在だなって思うんだろうけど、あそこにいた人間は全員がレミーで繋がってるからか、映画が終わってエンドロールが終了したら自然と会場から拍手が発生。なんともアットホームな感じだったし、仲間といる感じもした。
映画はレミーの生活に密着しながら、彼の歩んできた道のりを追っていくことによって、ハードロックとメタルの歴史の重要な一端を明かされる演出になっているんだけど、レミーの正確に迫れば迫るほど、彼の本当の人格というものが分かりにくくなる。
映画の最後のほうでも身内が指摘してるけど、彼には本当の感情が見えにくい。音楽から来るイメージとしては、頑固おやじでとっつきにくそうなんだけど、実際のレミーはファンにはいつもやさしくて笑顔ばっかり。かと思うと、暇なときはジャックダニエルズ&コークをやりながら単調なゲームを朝から晩までやってる無感情な男で感情の起伏はほとんどない。
幼少期のトラウマとか、ドラッグのせいだとか、自らロッカーを演じてるとか、いろいろ解説はできるんだろうけど、とにかく不思議なたたずまいで、彼のやってる音楽性と同様に非常に特異な立ち位置を維持してる気がした。
映画見てると、刺激性の強い音楽シーンにおけるモーターヘッドって、とにかくみんなから好かれる存在なのがよくわかる。パンクのヤツらも、メタルキッズも、スラッシュ命なバカも、ハードコアなヤツも、みんなモーターヘッドが大好き。彼らの音楽に対してリスペクトしてるし、レミーは最高だって思ってる。
ある分野のパイオニアであり、その中心であり続ける人間っていうのは、やっぱり「オレにはそれしかとりえがない」「これさえやってれればハッピー」っていうシンプルな人間にしか勤まらないんだろうね。好きなことのためには幸せな家庭生活を犠牲するのは、一人の男としては寂しいけど、“ロック界の大御所レミー”としては、音楽そのもので人々を幸せにさせられる。
最後まで見終わると、グダグダ口では語らない男の哀愁と皮肉がほのかに漂ってたのが印象に残った。
メタル/ハードロックファンなら誰が観ても満足できる作品。
実際、シアターN渋谷にはレイトショーなのに人は満杯だった。しかもバイカー率高し(笑)。あんなにガラの悪い映画館って経験したことなかったけど、いかつい男もパツキンでメイクガチガチのねーちゃんも、普段なら自分とは程遠い存在だなって思うんだろうけど、あそこにいた人間は全員がレミーで繋がってるからか、映画が終わってエンドロールが終了したら自然と会場から拍手が発生。なんともアットホームな感じだったし、仲間といる感じもした。
映画はレミーの生活に密着しながら、彼の歩んできた道のりを追っていくことによって、ハードロックとメタルの歴史の重要な一端を明かされる演出になっているんだけど、レミーの正確に迫れば迫るほど、彼の本当の人格というものが分かりにくくなる。
映画の最後のほうでも身内が指摘してるけど、彼には本当の感情が見えにくい。音楽から来るイメージとしては、頑固おやじでとっつきにくそうなんだけど、実際のレミーはファンにはいつもやさしくて笑顔ばっかり。かと思うと、暇なときはジャックダニエルズ&コークをやりながら単調なゲームを朝から晩までやってる無感情な男で感情の起伏はほとんどない。
幼少期のトラウマとか、ドラッグのせいだとか、自らロッカーを演じてるとか、いろいろ解説はできるんだろうけど、とにかく不思議なたたずまいで、彼のやってる音楽性と同様に非常に特異な立ち位置を維持してる気がした。
映画見てると、刺激性の強い音楽シーンにおけるモーターヘッドって、とにかくみんなから好かれる存在なのがよくわかる。パンクのヤツらも、メタルキッズも、スラッシュ命なバカも、ハードコアなヤツも、みんなモーターヘッドが大好き。彼らの音楽に対してリスペクトしてるし、レミーは最高だって思ってる。
ある分野のパイオニアであり、その中心であり続ける人間っていうのは、やっぱり「オレにはそれしかとりえがない」「これさえやってれればハッピー」っていうシンプルな人間にしか勤まらないんだろうね。好きなことのためには幸せな家庭生活を犠牲するのは、一人の男としては寂しいけど、“ロック界の大御所レミー”としては、音楽そのもので人々を幸せにさせられる。
最後まで見終わると、グダグダ口では語らない男の哀愁と皮肉がほのかに漂ってたのが印象に残った。
■去年あたりから読んだマンガでよかったヤツ
・闇金ウシジマくん――最初はよかったが中盤からの失速が痛い○
・大使館の料理人――読みなおした。ご都合主義の筋書きが△
・オールラウンダー廻――バカにしてたけど意外といい○
・しがてら――古谷実って尖ってるのに最後は中途半端ってのが多いね△
・狼の口 ヴォルフスムント――まだ1巻だけだけどよくなりそう?残虐性が○
・にゃんこい――ヲタ度高いが猫好きなので◎。早く連載再開しろ
・チェーザレ――よくこれだけ男を女々しく描けるな。でも雰囲気は○
・おおきく振りかぶって――よく男をこれだけ女々しく描けるな。絵がヘタ△
・ダイヤのエース――そこそこ頑張ってる野球漫画かな△
・孤高の人――ストーリー適当。途中から絵だけうまくなる△
・GANTZ――支離滅裂地獄。絵はいいけどちょっと飽きてきた○
・賢い犬リリエンタール――最近のジャンプの中では傑作といえる出来◎
・へうげもの――素晴らしいダイナミック◎
・皇国の守護者――何度も読み返すほどの快作◎◎
・岳――最初はよかったけど、最近は惰性&手抜きでしかない○→△
・弁護士のくず――最初はいいが、読んでいると字が多くて疲れる○
・バーテンダー――かなりよかった◎。ソムリエールは△
・テルマエロマエ――DMCみたいな勢いマンガ。3巻まで続く?○
・鋼の錬金術師――ちゃんと完結して偉いけど、後半はダレた○
・ヒストリエ――主人公の顔と性格がいつも一緒だがシナリオがよい◎
・乙嫁語り――マニアックだが独創性が合ってよし○
・とめはね――もたもたした&はっきりしない展開にイライラ△
・赤灯えれじい――後半グダグダだが青臭い恋愛もので意外とよかった○
・士道――会津藩士の視点とか悪くないんだけど、暗すぎる○
・ちはやふる――最初はよかったね○
■現在進行形で追っているマンガ
・キングダム――絵がうまくならないが勢い落ちてないのがよい
・バンビ~ノ――ムラ多し、休載多し、仕込んだネタ放置
・REAL――連載遅し、でも内容は期待度高し
・ヴィンランドサガ――休載してる? はよ進めろ
・宇宙兄弟――単行本で一気に読みたい本かな
・らーめん才遊記――まあ、惰性で追ってます
・怪物王女――世界観がけっこう好き
そんな感じ? コメディとかは読まないらしい
・闇金ウシジマくん――最初はよかったが中盤からの失速が痛い○
・大使館の料理人――読みなおした。ご都合主義の筋書きが△
・オールラウンダー廻――バカにしてたけど意外といい○
・しがてら――古谷実って尖ってるのに最後は中途半端ってのが多いね△
・狼の口 ヴォルフスムント――まだ1巻だけだけどよくなりそう?残虐性が○
・にゃんこい――ヲタ度高いが猫好きなので◎。早く連載再開しろ
・チェーザレ――よくこれだけ男を女々しく描けるな。でも雰囲気は○
・おおきく振りかぶって――よく男をこれだけ女々しく描けるな。絵がヘタ△
・ダイヤのエース――そこそこ頑張ってる野球漫画かな△
・孤高の人――ストーリー適当。途中から絵だけうまくなる△
・GANTZ――支離滅裂地獄。絵はいいけどちょっと飽きてきた○
・賢い犬リリエンタール――最近のジャンプの中では傑作といえる出来◎
・へうげもの――素晴らしいダイナミック◎
・皇国の守護者――何度も読み返すほどの快作◎◎
・岳――最初はよかったけど、最近は惰性&手抜きでしかない○→△
・弁護士のくず――最初はいいが、読んでいると字が多くて疲れる○
・バーテンダー――かなりよかった◎。ソムリエールは△
・テルマエロマエ――DMCみたいな勢いマンガ。3巻まで続く?○
・鋼の錬金術師――ちゃんと完結して偉いけど、後半はダレた○
・ヒストリエ――主人公の顔と性格がいつも一緒だがシナリオがよい◎
・乙嫁語り――マニアックだが独創性が合ってよし○
・とめはね――もたもたした&はっきりしない展開にイライラ△
・赤灯えれじい――後半グダグダだが青臭い恋愛もので意外とよかった○
・士道――会津藩士の視点とか悪くないんだけど、暗すぎる○
・ちはやふる――最初はよかったね○
■現在進行形で追っているマンガ
・キングダム――絵がうまくならないが勢い落ちてないのがよい
・バンビ~ノ――ムラ多し、休載多し、仕込んだネタ放置
・REAL――連載遅し、でも内容は期待度高し
・ヴィンランドサガ――休載してる? はよ進めろ
・宇宙兄弟――単行本で一気に読みたい本かな
・らーめん才遊記――まあ、惰性で追ってます
・怪物王女――世界観がけっこう好き
そんな感じ? コメディとかは読まないらしい
■『魔人と失われた王国』2011年バンダイナムコゲームス
最近、胸のムカつきが続いたり、首の肩こりが激しかったりと、なんだか体調がすぐれないので、週末は家から出ずにゲーム三昧することにした。いとこに勧められている『トリコと大鷲』が出るのをずっと待っているんだけど、なかなか出ないので似たようなジャンルのものを買ってきた。
『魔人と失われた王国』。
世界観はyoutubeでの雰囲気を見てもらうとして、まあまあ自分好みかな。絵のデザインとかを考えると、もうちょっと切ないストーリー展開のほうがハマる気がするんだけど、まあ、そこそこ良いです。すでに20時間近くプレイしてるけど、半分はクリアした感じ。
主人公が弱いので魔人を成長させて、いかに協力プレイで敵と闘い、ナゾを解いていくかってところがミソなんだけど、サクサクすすんで謎もそれなりに解けていくし、難易度も高くなくていいんだけど、もうちょっとガツンという何かがほしくもある。
マップはそこそこ広いし、使えるようになる技術が増えてくると、昔通った場所でも新たに行けるところが出てくるけど、全体にシンプルすぎるかもね。金貯めて店でチョコチョコ買い物したいわけじゃないけど、そういうの、一切ないからね。会話も基本的には動物と話すだけ。まあ、なんのかんの言って最後までやるんだろうけど。
微妙に似たような世界観でいうと、『ボクと魔王』のプレステ3版とか、その関連ソフトを出してくれないかなあ。
最近、胸のムカつきが続いたり、首の肩こりが激しかったりと、なんだか体調がすぐれないので、週末は家から出ずにゲーム三昧することにした。いとこに勧められている『トリコと大鷲』が出るのをずっと待っているんだけど、なかなか出ないので似たようなジャンルのものを買ってきた。
『魔人と失われた王国』。
世界観はyoutubeでの雰囲気を見てもらうとして、まあまあ自分好みかな。絵のデザインとかを考えると、もうちょっと切ないストーリー展開のほうがハマる気がするんだけど、まあ、そこそこ良いです。すでに20時間近くプレイしてるけど、半分はクリアした感じ。
主人公が弱いので魔人を成長させて、いかに協力プレイで敵と闘い、ナゾを解いていくかってところがミソなんだけど、サクサクすすんで謎もそれなりに解けていくし、難易度も高くなくていいんだけど、もうちょっとガツンという何かがほしくもある。
マップはそこそこ広いし、使えるようになる技術が増えてくると、昔通った場所でも新たに行けるところが出てくるけど、全体にシンプルすぎるかもね。金貯めて店でチョコチョコ買い物したいわけじゃないけど、そういうの、一切ないからね。会話も基本的には動物と話すだけ。まあ、なんのかんの言って最後までやるんだろうけど。
微妙に似たような世界観でいうと、『ボクと魔王』のプレステ3版とか、その関連ソフトを出してくれないかなあ。
■『マチェーテ』2010年アメリカ映画
久しぶりにエゲツない暴力表現の映画を観たなって感じ。
徐々に後半は残酷でカオスな状況は也をひそめていくんだけど、序盤のエグさにはショックを受けた。「ああ、これはこういう映画なんだな」という覚悟を持って観たけど、エクストリームな表現の中にも、国境線上の人権問題やそれを利用するナショナリストの政治腐敗なんかが痛烈に描かれていてある意味爽快。あとで調べたら『デスペラード』やら、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のロバート・ロドリゲス監督だったので、メキシコのスパニッシュな危なさの描写は「さすが」と思ったんだけど、最初は「ちょっとやりすぎじゃねーの?」と思って見てた。
妊婦が腹を銃でブチ抜かれるシーンとか、そのまま使っちゃうのは日本じゃできないよね。でも韓国映画なんかもそうだけど、そこらへんの徹底した痛さとか「常識では描いちゃいけない」というタガをはずしてあえて描いていく手法は、映画の強烈なアクセントになるよね。ここらへんが日本人の永遠に超えられない壁なのかも。
ともかく殺しまくるけど、自分の中だけに存在するある一線だけは絶対に破らないという主人公マチェーテが渋い! つーか、初の主演作っていうけど、ダニー・トレホっていい演技じゃないか! MOTHERHEADのレミー・キルミスターにクリソツ、というか皮ジャンや極端なアメリカンバイクに乗る姿なんか観ると、役作りで明らかにレミーを模倣してる。それにしても、無口でデブでオヤジなのに女にはモテまくるなんてズルい! 羨ましい!
脇役にロバート・デ・ニーロ、スティーブン・セガールなんかもハマっててアングラな雰囲気の映画をピリッと引き締めてくれている。とくにセガールは凄く久しぶりの大作出円なので気合入ってて、メキシカンなのにクレイジージャパニーズかぶれのへんな外人役が胡散臭くてよかった。まあ、その辺がB級なんだよって言われればそれまでだけど。
何度も殺されるデニーロも◎。さすがの演技でした。
なんやかんやで、結局はかなり楽しめた映画でしたな。
久しぶりにエゲツない暴力表現の映画を観たなって感じ。
徐々に後半は残酷でカオスな状況は也をひそめていくんだけど、序盤のエグさにはショックを受けた。「ああ、これはこういう映画なんだな」という覚悟を持って観たけど、エクストリームな表現の中にも、国境線上の人権問題やそれを利用するナショナリストの政治腐敗なんかが痛烈に描かれていてある意味爽快。あとで調べたら『デスペラード』やら、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のロバート・ロドリゲス監督だったので、メキシコのスパニッシュな危なさの描写は「さすが」と思ったんだけど、最初は「ちょっとやりすぎじゃねーの?」と思って見てた。
妊婦が腹を銃でブチ抜かれるシーンとか、そのまま使っちゃうのは日本じゃできないよね。でも韓国映画なんかもそうだけど、そこらへんの徹底した痛さとか「常識では描いちゃいけない」というタガをはずしてあえて描いていく手法は、映画の強烈なアクセントになるよね。ここらへんが日本人の永遠に超えられない壁なのかも。
ともかく殺しまくるけど、自分の中だけに存在するある一線だけは絶対に破らないという主人公マチェーテが渋い! つーか、初の主演作っていうけど、ダニー・トレホっていい演技じゃないか! MOTHERHEADのレミー・キルミスターにクリソツ、というか皮ジャンや極端なアメリカンバイクに乗る姿なんか観ると、役作りで明らかにレミーを模倣してる。それにしても、無口でデブでオヤジなのに女にはモテまくるなんてズルい! 羨ましい!
脇役にロバート・デ・ニーロ、スティーブン・セガールなんかもハマっててアングラな雰囲気の映画をピリッと引き締めてくれている。とくにセガールは凄く久しぶりの大作出円なので気合入ってて、メキシカンなのにクレイジージャパニーズかぶれのへんな外人役が胡散臭くてよかった。まあ、その辺がB級なんだよって言われればそれまでだけど。
何度も殺されるデニーロも◎。さすがの演技でした。
なんやかんやで、結局はかなり楽しめた映画でしたな。
『アンヴィル! ~夢を諦めきれない男たち~』アメリカ
スラッシュメタルの歴史を描いたDVDを観たら、どうしてもアンヴィルの映画が観たくなったのでアマゾンでついポチってしまった。
内容はミッキー・ローク主演の『レスラー』のロック版という感じだけど、ドキュメンタリー仕様になっていて、出演者自身が本人で実話ってのが違う。だけどドキュメンタリーなのに、しっかりと起承転結があってちゃんとドラマになっているのが面白い。舞台も始まりと終わりが日本だから、とっつきやすい。
自分もメタルは好きなのにアンヴィルはほとんど聴いたことがなかったし、なぜか興味もわかないまま、今に至る。その理由について深く考えたことはなかったが、映画を観ていると、その理由が痛いほど分かった。
音楽業界に限らないことだろうけど、ただの“××バカ”として好きで活動を続けていて売れるのは、運のいいほんの一握りでしかない。ある意味、この映画はずっとウダツの上がらず、周囲に迷惑をかけ続ける永遠の放蕩息子を描いた内容なので、個人的にも身につまされる作品になっている。観ていると「信じて続けることの意味」をぼんやりと考えさせられてしまう。
状況的に残酷なのは、アンヴィルにはそこそこ音楽の才能があり、音楽史にも名前を残したバンドだということ。けれども、どう見たって彼らは売れないバンドのスパイラルに陥ってるし、音は時代遅れで、いまの曲には世代の壁を超える影響力はなさそう。家族に迷惑をかけながら今後もダラダラ続ける必要があるのだろうか? やっぱりその問いは頭をぐるぐる回り続ける。
無邪気なティーンズの純粋さを失わずに活動を続けるリップスの人柄は魅力的だし、応援したくなる。ロックバカすぎるし、猪突猛進すぎるし、無計画すぎるし、状況判断ができなさすぎるし、何より金がなさすぎる。きっと横にいたら、ああだこうだと口を挟みたくなるだろう。時にはつい「家族のことを考えて、もう音楽はやめろ」と言いたくもなるだろう。
でも彼らは続ける。その姿勢があったからこそ映画になったし、続けていたからこそ、こうして注目される機会も芽生えたともいえる。けれども、これってやっぱり成功なのか? という思いは消えない。どうせ数年したら、また貧乏でしがない人生に逆戻りするんじゃないの?
“幸福”の定義を何にするかで、アンヴィルの生き方への評価も変わってくるだろう。ただ、映画化されたことによって、アンヴィルは売れないロッカー生活を永遠に続けられる免罪符を手に入れてしまった。続けことが良いのか、悪いのかは結局本人が決める問題なのだ。
自分も現実社会において、周囲と自分を納得させる範囲で“幸福”の形と“夢”を追いながら生活している。だからこそ“幸福”や“成功”の定義について信念を育てなければと思ったし、家族からの理解を得られる夢の追い方をしなくてはならないなと感じさせられた。
最後であまりにも懐古的で甘ったるい日本人感覚が入り込んできたのが、映画が表現しようとする残酷さをスポイルしてしまい、映画の方向性自体をねじ曲げられてしまった感が残った。ただ、音楽シーンにおいて“ビッグ・イン・ジャパン”という言葉があるように、続けていれば日本人のように忠実に彼らの音楽を忘れずに支持してくれる層があることは事実でもあるし、予期せずしてハッピーエンドに切り替わったのは、ドキュメンタリーの偶発的な魅力とも言えるのかな。
ともかく、これで自分のロック魂は完全に目を覚ましたので、次は現在上映中の『極悪レミー』を観に行くことにする。
『スラッシュ・メタル/攻撃とスピードの暴虐史』アメリカ映画
これはスラッシュメタルの歴史を描いたドキュメンタリー映画。2007年製作。スラッシュメタルは自分の高校~大学時代を直撃した音楽だったので、ここに出てるアーティストのほとんどは知ってるし、観てると「これぞ自分の青春の音楽」という感じで懐かしかった。
とくにメタルに興味のない人に熱く語っても意味のない作品なんだけど、この作品に出てくるミュージシャンとファンは、地球というとてつもなく広い世界に散らばりながらも、ほとんど自分と同じ驚きと喜びを共有していた点が興味深かった。
言葉がそんなに通じなくても、絶対にコイツらとはすぐに仲良くなれる。大人になって会社勤めをしていても、自分の中の大事なポリシーってやっぱり「反骨心」とか「義侠心」なんだよね。
「マイナーなことやってる? だからどうした、クソッタレ! 俺は絶対にやり続けてやる」「おめーなんか絶対に成功しない? ファックユー! いまに見てろよ」ってな部分は絶対にいまも昔も自分を構成する大きな要素。原点を確認できて、ちょっと勇気は出たな。他人に「アホ」「イモ」「ダサイ」とか言われても、自分が「格好いい」「価値がある」と思ったことを続ける気概を持った連中がいるって分かっただけでも、なんか良かった。
やっぱ人間、芯の部分は揺るがしちゃダメだな。信念貫かないと! そう思わせるドキュメンタリー。いいじゃん!
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